Mimaのゆるっと趣味ルーム

観た映画や聴いた音楽についてつらつらと思ったことを書くブログ。普段はゆるっと、ごく稀に大真面目に。

Mimaの個人的2017年年間洋楽ベスト30その2 -20位~11位

こんにちは、Mimaです。

 

前回の記事で今年度の洋楽の個人的ベスト30その1として、30位から21位までを紹介しました。今回はその続きです。

前回同様、私個人の趣味趣向や解釈ですので、パーソナルな思い入れも多分に入っております。温かい目で読んでいただければ幸いです。

 

それでは参ります。

20位

Lust For Life feat. The Weeknd - Lana Del Rey

www.youtube.com

自らを「ギャングスタスタイルのナンシー・シナトラ」と名乗るラナ・デル・レイと、R&Bからヒップホップを基盤にポップなセンスとどことなくアウトローなイメージが同居するザ・ウィークエンド。60年代のバロックポップ的荘厳さとノスタルジーを持ちつつドリーミーで官能的なサウンドに、ラナのソフトでウィスパーなボーカルと、ザ・ウィークエンドのファルセットが絶妙に絡み合う。ラブソングであり、二人がバランスよくリードをシェアするスタイルも60sの夫婦デュオを思わせるが、歌詞の内容はハリウッドの名声から至近距離のセクシャルな掛け合い、そして名声の堕落までを思わせるメランコリックな内容で、10年代のポップソングとしてはかなり「アウトロー」。この二人だからこそできた美しさと儚さは、癒しにさえなる、そんな曲。

 

19位

New Rules  - Dua Lipa

www.youtube.com

イギリス出身の22歳で早くから評論家や音楽ファンの注目を集めていたデュア・リパ。LGBT層にも支持の厚い彼女は、特定の層に媚びることなく自分に正直なスタイルが魅力だ。この曲も、フォーミュラに沿った親しみやすいポップソングでありながら、今までにない失恋ソングだ。ただ落ち込むのでもなく、ただ怒りをぶつけるのでもなく、未練のある彼氏に惑わされないよう自らにルールを課していく。失恋という大きなショックを乗り越える際に心を切り替える指針、というテーマは男女問わず共感できる内容だ。そんな時に頼りになるのは似たような感情を共有できる同性の友達で、デュア・リパの女友達が彼女のルールに従って励まし、最後のヴァースで今度はリパが励ます側となる、そんなMVも魅力的。ガール・ネクスト・ドアな親しみやすい見た目だが、かなりディープでソウルフルな歌声の持ち主。今後の活躍が楽しみなアーティストの才能を証明する作品。

 

18位

Rooting For You - London Grammar

www.youtube.com

イギリス、ノッティンガムで結成された3人組インディー・ポップバンド、ロンドン・グラマー。女性ボーカル、ハンナ・リードの深くハスキーな声と、フローレンス+ザ・マシーンを思わせる壮大なつくりながらよりミニマルな音でメロディとボーカルの力を最大限に引き出す、そんなバンド。MVバージョンは、前半がアカペラになっており、よりボーカルを前面に出すアレンジで、ハンナの説得力に満ちた歌声が堪能できる。プロデュースは先述のフローレンス+ザ・マシーンやポール・マッカートニーも手掛けたポール・エプワースで、彼の手腕が光る美しいバラード。聴くたびに心に染みる名曲。

 

17位

Wolves - Selena Gomez & Marshmello

www.youtube.com

歌手、女優と多方面で活躍するセレーナ・ゴメス。彼女は新曲を出してくる度に本当に驚かせてくれる。ウィスパーからパワフルに張り上げる声量や音程のコントロールはもちろん、曲のテーマやサウンドに合わせて声で感情をしっかり表現できる数少ないボーカリストの一人。今回連名でコラボしているマシュメロは、正体不明のDJプロデューサー(一応男性なのは確からしい)。彼が80年代を思わせる煌びやかでどこかメランコリーを感じさせるシンセサウンドを展開し、セレーナの歌唱力と相まって独特の世界を作り上げた。歌詞は様々な苦悩を乗り越えながら別れた恋人の元に戻る、という内容で、去年から今年にかけて苦悩の日々だったセレーナの心情をうかがわせる。メロディアスで神秘的な美しさをもった曲。

 

16位

Get Low - Zedd & Liam Payne

www.youtube.com

この曲、個人的には今年のサマーソングの中でも最高に好きなのだけれど、思ったほど売り上げもエアプレイも伸びなかったのが非常に残念。ゼッドはアレッシア・カーラとのコラボで一つ前のシングルの「Stay」、リアム・ペインはソロ名義での「Strip That Down」の大ヒットがあって、どちらもロングセラーになっていたので隠れてしまった印象。しかし、まさに夏にふさわしい爽やかなサウンドと、ゼッドらしい80sダンスポップを想起させるシンセのメロディ、そして何より、プリンス顔負けのエロい歌詞を甘くかすれた声で何でもないかのようにさらっと歌ってしまうリアムの「英国男子」らしいエロさが最高にセクシーで、癖になる一曲だ。夏の晴れたビーチなんかに似合いそう。

 

15位

Galway Girl - Ed Sheeran

www.youtube.com

エド・シーランの音楽の知識と、それらを全て自分のサウンドにしてしまう才能は現在のポップシーンの中でもずば抜けているのではないだろうか。最新作『÷』でも、一つのリフをベースにグルーヴで引っ張る「Shape Of You」はアコースティックに解釈したジェームズ・ブラウン的ファンクともいえるし、「Bibia Be Ye Ye」ではアフリカン・ビートを取り入れ、「Perfect」はブルース調のバラード。カントリーやフォークとヒップホップというこれまで結びつかなかったようなジャンルをルーツに、アコースティックギター一本で勝負するライブも想定したメロディとリズムの巧みな使い方。21世紀のポップシーンを引っ張るアーティストになると思っている。そんな彼の最新アルバムの中でも「Galway Girl」は私のフェバリット。私は元々ケルト音楽が好きなので、アイルランド民謡の「Carrickfergus」や、アイルランド出身のヴァン・モリソンを「Shape Of You」に次いで登場させ、フィドルの音色がアイルランドの香りを漂わせながら、エド・シーラン得意のメロディックなラップ調の歌い方で彼独自の世界を展開するこの曲はツボ。MVはアイルランド系の女優シアーシャ・ローナンとのデートをエド・シーラン目線で追うという反則技で観る者を引き込む。タイトルにもあるゴールウェイの街並みも美しい。

 

14位

Too Good At Goodbyes - Sam Smith

www.youtube.com

サム・スミスもまた、声で引き込むタイプのアーティストだ。ただ、先述のセレーナ・ゴメスは声色を七変化させる、「演者タイプ」であるのに対し、サム・スミスは聴いたらすぐにわかる独特の声と、ソウルフルな歌唱法で「表現者タイプ」と言えるだろう。恋人との別れにおける未練や喪失感を情感豊かに歌い上げるこの曲は、彼のパーソナルな内容なこともあってか、胸に迫るものがある。サム・スミスのボーカルとピアノ伴奏のみから始まり、ドラムがサム・スミスを支えるかのようにさりげなく入り、後半はゴスペル調のバックコーラスが楽曲の力強さと切迫感のあるボーカルを際立たせる。シンプルなメロディや構成で心をつかむストレートな失恋ソングなので、時代を超えて愛されるだろう名曲だ。

 

13位

Attention - Charlie Puth

www.youtube.com

名門バークレーで音楽制作を専攻したチャーリー・プースは、掴むフックを理解している人だ。この曲はデビューアルバム「Nine Track Mind」のオールドファッションで優等生なソウルから印象を変え、よりファンキーな音でキャッチーさを増したポップでダンサブルな一曲だ。リズミカルなギターやコーラス部分で縦横無尽にうなるベースラインは、シックのナイル・ロジャースやバーナード・エドワーズを思わせる。ブリッジの部分の分厚いコーラスも曲の重要なアクセントの機能を果たしている。そして「君は注目がほしいだけだ/ぼくの心なんて興味ないんだろ」と言いつつも、「今こうしてぼくらは面と向かって立っている/もう君が勝っているのはわかってるんだろ」と未練たっぷりな歌詞は非常に親しみやすく、チャーリー・プースの人柄を物語っているように思える。MVでは女優のサマラ・ウィーヴィングがチャーリー・プースを誘惑する役柄で登場。彼女が目の前に立っていたら勝てないよなあと妙に共感してしまうMimaなのでした。

 

12位

Want You Back - Haim

www.youtube.com

姉妹バンドハイムによる80年代の雰囲気漂うミドルテンポのラブソング。なんといってもドラムサウンドが特徴的で、80年代のドラムマシンのような手拍子音や随所にはいるリズミカルなドラムビートが80s後期のポップロックを思わせる。姉妹らしい息の合ったコーラスと、「戻ってきてほしい」と去ったパートナーへ素直な思いを打ち明ける歌詞は普遍的で、失恋後はもちろん、どんな状況でも聴けるアクのないポップチューンとなっている。

 

11位

Your Song - Rita Ora

www.youtube.com

このシンセによるマリンバサウンド、何か思い出させないだろうか。実はこの曲、エド・シーランとスティーヴ・マックという「Shape Of You」に携わったコンビによる曲なのだ。跳ねるようなシンセマリンバから入るリタ・オラのボーカル。デビュー時、そのボーカルスタイルとセクシーなルックスから、「イギリスのリアーナ」と呼ばれたりしていたが、この曲ではソウル感は控えめで、抑制されたボーカルを聴かせる。サビに入るとバックトラックも厚みを増し、重厚なバックコーラスが入る。エド・シーランの声もはっきりと聴きとれる。歌詞の内容は恋人と一夜を共にした翌朝を女性の視点から描いている。曲の展開は「Shape Of You」のそれとほぼ同じ構造。これは私の推測だが、「Shape Of You」でエド・シーランが「心も惚れかけているけど/君の身体が好きなんだ」と歌い、ストーリーとしては初デートも華僑に入りタクシーに二人で乗り込むところで終わっている。リタ・オラの「Your Song」は先述のように恋人の家で朝を迎えるところから始まる。「またあのレコードをかけて」というフレーズや「本気で惚れてしまったのかもしれない」というところから考えると、この曲は女性目線による「Shape Of You」の続編なのではないか?と思えてくる。シンプルな構成とキャッチーなフックで、聴くものを虜にする曲だ。

 

今回はここまで。次回はトップ10です。

 

ではまた。